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2024年12月10日 (火)

MicroRNA therapyへの期待

カテゴリ:新着記事(New!)

投稿者:程 久美子(東京科学大学・東京大学)

程 久美子 Kumiko Ui-Tei 1) 東京科学大学・総合研究院・特任教授 2) 東京大学・大学院理学系研究科・生物科学専攻・特任研究員 米マサチューセッツ大学のVictor Ambros博士と米ハーバード大学のGary Ruvkun博士は、線虫のmiRNA発見についての論文を1993年に発表し(1, 2)、それから約30年後の2024年にノーベル生理学・医学賞を受賞した。miRNAは21-25塩基程度の一本鎖のノンコーディングRNAであり、部分的に相補的な塩基配列をもつmRNAにアンチセンス鎖として対合し、その翻訳を制御する(図1)。しかしながら、このような小さなRNAによる遺伝子発現の制御は、限定的な原理として捉えられ、miRNAに関する次の論文が発表されたのは、7年後の2000年であった(3)。それ以降は、生命科学におけるmiRNAの重要性は明確で、miRNAによる遺伝子制御はヒトを含む多細胞生物にとっても不可欠のメカニズムであることが明確となり、ヒトではすでに2,000種以上ものmiRNAが同定されている。
2024年12月06日 (金)

microRNAのノーベル賞受賞に寄せて-- 植物のmiRNAの話

カテゴリ:新着記事(New!)

投稿者:渡邊 雄一郎(東京大学)

東京大学 渡邊雄一郎 今回のVictor Ambros, Gary Ruvkun両氏のノーベル賞受賞の知らせを聞いて、2000年前後のことを思い出した。線虫でのlin-4に続くlet-7の報告から数年でマウス、ヒトにもmiRNAが存在し、その中には種の違いを超えてlet-7なども含まれることなどが報告された。次に何がくるかと思っていたら、私が扱っていた植物の世界にもmiRNAがあるということになった。植物で初めてのmiRNAと機能との関連が見つかったという報告は2003年9月Natureで発表された。そのmiRNAはmiRJAW (JAWは JAGGED AND WAVY(波打ったという意))いう名で報告された。掲載号の表紙には奇妙な葉の形態を持つシロイヌナズナの写真が登場した。なぜこんな形態になるのかはすぐには理解できなかったことを覚えている。現在このmiRNAはmiR319として登録されている。以後、にわかに植物分野でもmiRNA研究が賑やかになった。
2024年12月03日 (火)

The complex life of RNA 参加報告

カテゴリ:新着記事(New!)

投稿者:中山 千尋(九州大学)

九州大学・野島研究室博士課程3年の中山千尋と申します。新生RNA解析を用いて、RNAポリメラーゼIIの転写終結制御をテーマに研究しております。この度、RNAJ Travel Fellowship Programに採択いただき、ドイツ・ハイデルベルグで開催されたEMBL Symposium・The complex life of RNAに参加いたしました。この度はその参加報告をさせていただきます。
2024年11月10日 (日)

若手科学者賞までのモブの20年

カテゴリ:新着記事(New!)

投稿者:小林穂高(徳島大学・東京大学)

RNA学会の皆さま、こんにちは。徳島大学 先端酵素学研究所と東京大学 定量生命科学研究所でお世話になっております、小林穂高です。2023年10月から、若手PIとして研究分野を持たせていただき、RNAの細胞内1分子イメージングを武器に自分色のサイエンスをどんどん進めるぞと意気込んでいます。ラボにご興味ある方いましたら、いつでも気軽にご連絡ください(ラボウェブサイト:https://sites.google.com/view/h-kobayashi-lab)。
2024年11月10日 (日)

microRNAのノーベル賞受賞に寄せて

カテゴリ:新着記事(New!)

投稿者:泊 幸秀(東京大学)

東京大学定量生命科学研究所泊 幸秀 Dear Victor, I am beyond thrilled to hear the incredible news—congratulations on winning the Nobel Prize! Your hard work, brilliance, and dedication have truly changed the world, and now the whole world is celebrating you! これは、2024年10月7日、日本時間の18:42に、私がVictor Ambrosに送ったメールの冒頭である。あとになって本人から聞いたことだが、これは彼が受け取った中で一番最初のノーベル賞お祝いメールだったらしい。
2024年10月25日 (金)

RNA学会におけるキャリアパス ~キャリアパス担当になりました~

カテゴリ:新着記事(New!)

投稿者:高橋 朋子(埼玉大学)

第13期のキャリアパス担当になりました埼玉大学の高橋朋子と申します。キャリアパスというとアカデミア全体を通して課題が多めの難しいトピックですが、RNA学会に所属されている皆さまが、今後をポジティブに考える一端を担えればと考えております。
2024年10月24日 (木)

microRNA、遂にノーベル賞を受賞する!

カテゴリ:新着記事(New!)

投稿者:塩見 美喜子(東京大学)

東京大学大学院理学系研究科教授 塩見 美喜子 帰宅途中、カバンを持つ手が小刻みに振動する。数分おきに数回繰り返された。ついに老化現象到来か、と思ったが、原因はiPhoneだった。履歴には見覚えのない11桁の数字。同じ人からの様である。半年前にも似たようなことがあり、そのときは登録済みの家族からで、雨にぬれた市ヶ谷の横断歩道で自転車ごと転倒し、救急車で運ばれたという知らせだった。そもそも、私のiPhoneには10件しか電話番号が登録されていない。そこから家族とラボの関連者を除くと残りは3件となる。世界中の誰か、マイナス10、が私にiPhoneで連絡をとろうとしても、相手が誰なのか特定できない。特定できないため、一層対応を躊躇う。連続して着信があったので流石に気にはなったが、救急車ver.2みたいなものだろう、家族ではないしな、と放置した。地下鉄の中でもあったし、降りたとしても歩きながらの電話は気が引ける。急用ならメールが入るよね、とも思う。メールアドレスを知らない人なら、また連絡があるまでおいて待つしかないな、とも思う。最寄りのSantokuによったところで、この一連の出来事はすっかり忘れた。
2024年10月15日 (火)

Translational control2024参加レポート

カテゴリ:新着記事(New!)

投稿者:南 篤(東京大学)

東京大学大学院農学生命科学研究科 南 篤 東京大学大学院農学生命科学研究科の南 篤と申します。RNaseと休眠リボソームの相互作用について研究しております。この度、日本RNA学会の国際会議参加支援に採択いただき、アメリカ・ニューヨークCold Spring Harbor Laboratory(CSHL)で開催されたTranslational control 2024に参加いたしましたので、ご報告をさせていただきます。
2024年10月09日 (水)

RNA研究がもたらすもの 〜二年連続のノーベル賞受賞に寄せて〜

カテゴリ:新着記事(New!)

投稿者:廣瀬 哲郎(日本RNA学会会長)

日本RNA学会会長 廣瀬 哲郎 10月7日の夕方(日本時間)、今年のノーベル生理学・医学賞が、米国のVictor AmbrosとGary Ruvkun両博士に贈られることが発表されました。受賞理由は、「マイクロRNAとその転写後制御における役割の発見」です。昨年に続いて、二年連続でRNA研究者がノーベル賞を受賞したことは、同じくRNAを研究する者として法外の喜びであり、日本RNA学会として受賞者のお二人に最大限の賛辞をお贈り申し上げます。
2024年07月31日 (水)

学会レポート

カテゴリ: 2024年8月 第49号

投稿者:清水 雄治(奈良先端大学院大学)

奈良先端科学技術大学院大学RNA分子医科学研究室所属の清水雄治です。この度はTravel Fellowshipのご支援のもと、2024年6月26日から28日にかけて東京大学で開催された第25回日本RNA学会年会に参加してきました。以下、ミーティングレポートです。