ずいぶんと時間が経ってしまいましたが、本学会の記念すべき第20回目の年会は大阪で開催されました (7/9-11)。大変すばらしい会場でした。口頭発表、ポスター発表、いずれも興味深い内容ばかりで、3日間が、あっという間に過ぎてしまいました。10のセッション、2つのシンポジウム、2つの特別講演といずれも趣向の凝らしたプログラムが組まれておりました。懇親会での近大マグロの解体ショーは大いに盛り上がりましたし、大阪ならではの豪華な食事も堪能させていただきました。昔の写真のスライドショーもよかったですね。今は亡き恩師の写真や、重鎮たちの若かりしころのお姿は、本学会が歩んできた長い歴史を感じさせてくれました。改めて、年会長を務めていただいた藤原俊伸さんに感謝申し上げたいと思います。また、特別講演およびシンポジストを務めていただいた、岸本忠三先生、西村暹先生、阿形清和先生、Piero Carninci先生に、この場を借りて感謝申し上げます。ありがとうございました。
京都大学ウイルス・再生医科学研究所 感染防御分野竹内研に所属しております大学院生の吉永正憲と申します。私は鉄代謝の制御機構をRNA分解の観点から研究をしております。昨年初めて参加したRNA学会年会におきましてこの研究の発表をさせていただきましたところ、思いもかけず青葉賞に選出していただき、この場をお借りしてお礼申し上げます。今回はその副賞として国際学会参加をご支援いただきましたので、報告させていただきます。
早いもので大阪年会から2ヶ月以上過ぎ、あの酷暑も去って富山は朝夕には秋の気配が感じられます。大阪年会は20回という節目の年会でしたが、過去の年会の記録をたぐると、いわゆる「地方都市」での開催は、熊本(第6回)に始まり、弘前(第7回)、徳島(淡路島、第8回)、新潟(第11回)、松山(第15回)、そして昨年の富山(第19回)の6回のようです。年会長としてそれぞれの年会をお世話された先生の中には、その地から転任された方、大学を退職された方もおられますが、熊本から松山までの各地方での年会は、年会長のラボを筆頭に、それぞれの地方の大学発の「地元特産」とも言える個性的で優れたRNA研究の印象と結びついて、私の思い出となっています。
Congratulations to Dr. Victor Ambros and Dr. Gary Ruvkun on the Award of the Nobel Prize in Physiology and Medicine, 2024.
“for the discovery of microRNA and its role in post-transcriptional gene regulation.”
https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/2024/press-release/
日本RNA学会では、このたび「古市―カリコ賞」を創設いたしました。この賞の創設にあたっては、先日の東京年会の特別講演者であるKatalin Kariko博士から、先日惜しくも他界された本学会名誉会員の古市泰宏先生を偲ぶための賞の創設が提案され、そのために年会講演謝金を含む賞の創設準備費をご寄付いただきました。そこで、本学会では、このご提案をありがたく受け入れ、この賞を「古市―カリコ賞」と命名し、未来のRNA研究を力強く先導する若手・中堅研究者を対象に、受賞候補者を募集することにいたしました。会員の皆様からの数多くの応募をお待ちしております。
第25回日本RNA学会年会 発表演題のアーカイブが下記の日程で公開されています。
ぜひご覧ください。
・公開期間:2024年7月15日(月)〜2024年7月29日(月)
URL: https://www.rnaj.org/members/annual-meeting-archive
本アーカイブは、日本RNA学会の会員(一般正会員と学生正会員、および賛助会員、名誉会員の方々)、並びに、第25回日本RNA学会年会に参加登録された方がご覧になれます。
東京大学
渡邊雄一郎
今回のVictor Ambros, Gary Ruvkun両氏のノーベル賞受賞の知らせを聞いて、2000年前後のことを思い出した。線虫でのlin-4に続くlet-7の報告から数年でマウス、ヒトにもmiRNAが存在し、その中には種の違いを超えてlet-7なども含まれることなどが報告された。次に何がくるかと思っていたら、私が扱っていた植物の世界にもmiRNAがあるということになった。植物で初めてのmiRNAと機能との関連が見つかったという報告は2003年9月Natureで発表された。そのmiRNAはmiRJAW (JAWは JAGGED AND WAVY(波打ったという意))いう名で報告された。掲載号の表紙には奇妙な葉の形態を持つシロイヌナズナの写真が登場した。なぜこんな形態になるのかはすぐには理解できなかったことを覚えている。現在このmiRNAはmiR319として登録されている。以後、にわかに植物分野でもmiRNA研究が賑やかになった。
九州大学・野島研究室博士課程3年の中山千尋と申します。新生RNA解析を用いて、RNAポリメラーゼIIの転写終結制御をテーマに研究しております。この度、RNAJ Travel Fellowship Programに採択いただき、ドイツ・ハイデルベルグで開催されたEMBL Symposium・The complex life of RNAに参加いたしました。この度はその参加報告をさせていただきます。
現在、Friedrich Miescher Institute for Biomedical Research (FMI)でTenure track Group Leader positionを公募しています。
詳細は下記をご覧ください。
締め切りは2025年 2月23日です。
国立大学法人熊本大学発生医学研究所は、これまで蓄積した研究成果、研究技術と解析技術、関連情報を開放し、共同利用・共同研究拠点として活動しています。この度、令和7年度において、本研究所の先進的な各種研究施設を活用した共同利用・共同研究の公募を行っております。詳しくは以下のURLを御覧ください。
・熊本大学発生医学研究所共同研究募集要項(共同研究支援)
https://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/kyodo2025kobo/
・熊本大学発生医学研究所共同研究募集要項(導入研究支援)
https://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/kyodo2025kobo/#1
・熊本大学発生医学研究所共同研究募集要項(国際共同研究・共同利用支援)
https://www.imeg.kumamoto-u.ac.jp/kyodo_international2025/
遺伝研が年に一度開催する公開講演会を、今年は木村資生(きむら もとお)博士の生誕100周年を記念した講演会としてオンラインで行います。木村博士は、遺伝研を代表する研究者。博士は「分子進化の中立説」を1968年に提唱し、進化生物学分野にセンセーションをおこしました。今につながる木村博士の業績と遺伝研の研究成果をお楽しみください。
■日時: 2024年11月16日(土)13:00-15:00
■会場: オンライン(Zoom)