スプライシング発見40周年に際し 〜 スプライシング研究35年を振り返る(2)
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- 作成者:前田 明(藤田医科大学・総合医科学研究所・遺伝子発現機構学研究部門)
第1回のエッセイを書いてから早1年である。実はその後会報が出るタイミングの度に、担当の北畠真さんから、寄稿を催促されたが、ひとえに忙しさにかまけてサボった結果であり申し訳ない。担当者も甲斐田大輔さんに代わり、先日の日本RNA学会年会 (大阪) で、さっそく彼から原稿を依頼され、いよいよ書かなければいけない状況に追い込まれた。幸いネタは盛りだくさんなので、例によって大脳皮質に鮮明に長期記憶された情報断片を引き出しながら、ありのままを如実に書き出した次第である。今回は、すべてアメリカでの研究生活の生きた体験であるから、昨今はさっぱり人気のない海外留学を考えている若い人たちへの、何かしら勇気づけられるメッセージになってくれたら嬉しい。一言で言うなら、アメリカは個性を認めチャンスをくれる国、ただしチャンスを生かせるかどうかは本人次第。おっと、これでは萎縮してしまうか。ではもう一言、アメリカは、てっぺんをめざすアメリカン・ドリームを夢みながら、そうならなくとも、多様な可能性を生かせ、リトル・ドリームを実現できる国、でもある。さあ、個性豊かな若い衆は、委細構わず、後先考えずにアメリカに行ってみることをお勧めする。何を隠そう、私がそうだったのだ。