野本明男先生を偲ぶ
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- 作成者:米山 光俊
野本明男先生の早すぎる訃報に接し言葉を失っています。最後まで復帰を目指して闘っておられたお姿を見てきましたので、残念でなりません。今はただ、安らかにお眠りくださいと願うしかありません。ポリオウイルスを中心にした先生の数々の業績は私からご説明するまでもありませんので、ここでは先生との思い出を記させて頂きます。
野本明男先生の早すぎる訃報に接し言葉を失っています。最後まで復帰を目指して闘っておられたお姿を見てきましたので、残念でなりません。今はただ、安らかにお眠りくださいと願うしかありません。ポリオウイルスを中心にした先生の数々の業績は私からご説明するまでもありませんので、ここでは先生との思い出を記させて頂きます。
幾度、杯を重ねたでしょうか。どれだけ、議論したでしょうか。
日本にとってかけがえのない科学者であり、リーダーであり、私にとって学問の先輩であり、不遜ながら敢えて言わせていただけるのであれば数少ない年上の友人、野本先生そして野本明男の何を書けば良いのでしょうか。
野本明男は剣士でした。これで終わり、いかがでしょうか。
神髄を見抜く人でした。本質だけを語る人でした。
(平成16年 学士院賞受賞に際して 奥様のご厚意により掲載)
学歴
昭和44年 3月 東京大学薬学部卒業
昭和49年 3月 東京大学大学院薬学系研究科博士課程修了 薬学博士号取得
昭和61年12月 医学博士号(東京大学)取得
職歴
昭和62年 4月 東京都臨床医学総合研究所部長(微生物研究部門)
平成 3年 9月 東京大学医科学研究所教授(ウイルス研究部)
平成12年 2月 東京大学大学院医学系研究科教授(微生物学講座)
平成21年 4月 同研究科特任教授
平成21年 4月 千葉大学特任教授、真菌医学研究センター長(兼任)(平成25年3月まで)
平成21年 6月 東京大学名誉教授
平成22年 4月 (公財)微生物化学研究会、微生物化学研究所 理事長・所長
平成26年11月 (公財)微生物化学研究会、微生物化学研究所 辞任
受賞歴
昭和57年10月 日本生化学会奨励賞
昭和60年10月 持田記念学術賞
昭和62年11月 野口英世記念医学賞
平成 6年 4月 日経BP技術賞(医療部門)
平成11年 3月 内藤記念科学振興賞
平成14年11月 武田医学賞
平成16年 6月 日本学士院賞
所属学会
日本RNA学会、日本ウイルス学会、日本生化学会、日本分子生物学会、日本癌学会、日本遺伝子治療学会、日本ワクチン学会、日本薬学会、日本生体防御学会、日本神経ウイルス研究会、米国微生物学会、米国ウイルス学会
その他
文部科学省生命倫理・安全部会遺伝子組換え技術等専門委員会委員(2005.3~2012.4)
WHO, Member of Steering Committee on Polio and Hepatitis A (1988~1993)
WHO, Member of Steering Committee on Research to Support a Strategy to Stop Polio Immunization (2001~2007)
WHO, Member of Polio Research Committee (2008~2013)
国際ウイルス学会議 Advisory Council Member (1996~2002)
National representative (2003~2011)
日本ウイルス学会理事長(平成18年1月〜平成21年12月)
日本微生物学連盟理事長(平成20年2月〜平成24年1月)
文部科学省 科学技術・学術審議会臨時委員(平成25年2月〜)
厚生労働省 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究評価委員会委員
科学技術新興機構 さきがけ「RNAと生体機能」研究総括(平成19年4月〜平成24年3月)
平成26年11月13日、RNA学会会員であり、本学会の発展に永いあいだご尽力くださった野本明男先生がご逝去されました。先生の生前のご厚誼に感謝し、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
写真の石はSaint Petersburg近郊のバルト海を望む波止で拾ったもの。その辺の石はみな角がなく丸い。遠い遠い昔、氷河はこの地を覆っていた。氷河は北のフィンランドあたりからゆっくりと南下してきた。氷河と地面の間に挟まった石は、氷河の移動につれ、その重みを背負いながらギシギシ軋み少しづつ削られ磨かれた。その移動の萬年のおぼろげな記憶は、この石の形と年輪のような線に残る。
少女漫画雑誌「Cookie」(集英社)で「グッドモーニング・キス」を連載されている漫画家・高須賀由枝先生が、2013年5月から愛媛大学に密着取材されています。2013年に松山で開催されたRNA学会も取材して頂きました。なんと、「RNA 2016 Kyoto」のポスターは、高須賀先生にデザインして頂きます。人気漫画家の先生と、RNAの研究。異色の組み合わせはどのように実現したのでしょうか。漫画の世界ではRNAの研究はどのように見られているのでしょうか。RNA学会に最も近い漫画家、高須賀由枝先生と、小池正夫「Cookie」編集長、堀弘幸先生(愛媛大学)の対談をお届けします。
はじめに
私は、2005年弘前にて開かれましたRNA学会年会で発表をさせて頂いたのを最後に、米国ロックフェラー大学へポスドク研究員として渡米し、実に9年ぶりに2014年の年会での発表をさせて頂きました。懇親会にて、塩見美喜子会長が「たとえばCLIPなどの最新技術についてセミナーをするなどして、RNAを扱う研究者に広くRNA学会と年会に興味をもってもらうことを考えていきたい」とお話されていたのを、乾杯用ビールを片手に隅で聞いておりました。まさか、その第一回の試みに私が寄稿させて頂くことになるとは、大変光栄に思うと同時に大役に緊張しております。
はじめに
2014年11月2日~5日の期間にオーストラリア・シドニーのシドニー工科大学にて‘日豪RNAミーティング’が開催されました。本ミーティングには私自身、日本RNA学会より資金的援助をいただき参加し、口頭・ポスターの両発表をさせていただきました。参加したきっかけ、実際のミーティングの様子に加え、開催地であるシドニーの街の様子などを学生による会誌レポートとして報告させていただきます。
日本RNA学会では、数年前より国際化担当を任命し、学会の国際化を進めています。昨年度はカナダのRNA研究者の方々とRiboClub 2013を行いましたが、本年度は11月2日から5日の日程で、オーストラリアのシドニーにて、日豪合同RNAミーティング(jajRNA; Joint Australia-Japan RNA Meeting / Japan-Australia Joint RNA Meeting)を開催しました。
2014年9月16日(火)〜18日(木)にRNAフロンティアミーティング2014を開催しました。名古屋市立大学薬学部藤原研究室の深尾亜喜良 特任助教という強力なパートナーと共に、悪銭苦闘しながらも無事に「世話人」という重要な責務を果たすことができました。本年度のRNA学会総会でもご案内しましたが、今回のフロンティアミーティングの舞台は和歌山県南紀白浜でした。演題発表やディスカッションでフル稼働した頭を癒すには、最適な場所だったと思います。(少なくとも筆者は連日朝晩2回、温泉で癒されていました。)