<走馬灯の逆廻しエッセイ> 第1話 「RNA研究、発見エピソードの数々|はじめに キャップ構造の発見」
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- 作成者:古市 泰宏(さきがけ「RNAと生体機能」アドバイザー)
RNA研究にまつわる発見エピソードを、いくつかお話したいと思う。
それらは、故野本明男さんが総括をされていた“さきがけRNAと生体機能”の折々の懇親会などで、アドバイザーだった老生が、塾生の皆さんに問われ語りに思い出を話したことなどである。そのどれもが、1970〜80年代に、ニューヨーク・ボストンエリアで頻発したメッセンジャーRNA(mRNA)の基本構造に関する新発見の思い出である。その当時ロシュ分子生物学研究所(NJ州)のAaron Shatkinの研究室へ留学し、mRNAのメチレーションやキャッピング(Capping)について研究していた私は、その多くに共同研究で関わっていたり、手を貸していたりして、発見者やその友人たちと、驚きや感動を共に喜ぶことができた。