東北大学薬学部、がん化学療法薬学分野所属の青山活樹と申します。この度は、RNAJ国内travel fellowshipに採択していただきありがとうございました。今回私は、マイコプラズマの膜上のnucleaseの性質、特にホスト細胞のtRNAがマイコプラズマのnucleaseにより切断される際の特徴について研究した内容を発表しました。学部学生で、研究を始めて間もない私にとっては初めての学会で、すべてが新鮮で貴重な経験となりました。今回はポスター発表で応募し、さらにはEMBO Poster Clinicにも選出していただいたので、2日間発表の機会をいただき、非常に充実した学会経験になりました。


 まず1日目は通常のポスター発表でした。どのような人が興味を持って見に来てくれるのかなとそんな思いでスタートしましたが、自分の研究分野に詳しい先生方はもちろん、専門の異なる方も含め、多くの方々に見に来ていただき、貴重なご意見、ご感想をいただけました。興味を持っていただいた方に対して、その方の知りたいことを的確に伝えることはとても難しいことだと感じましたが、口頭発表とは異なって、時間をかけてでもしっかり最後まで説明することができる点が、ポスター発表の利点だと感じました。また、研究内容に関して面白いと感じていただける方もいて、モチベーションの上昇にもなりました。
 2日目がEMBO Poster Clinicでした。私は英語が得意ではなく、外国の方と会話する機会もほとんどないので、このClinicは不安な気持ちで臨みました。Clinicが始まると、他の発表者の皆さんは流暢に英語で発表し、質疑応答にもうまく対応していた一方で、私はうまく対応できず、自分の実力不足を痛感しました。このPoster Clinicを通して、今回のような英語でのディスカッションでも自分の意見をしっかり伝えられるようになりたいと思い、英語の勉学に努めたいと強く感じました。そして、JournalのEditorとのディスカッションというとても貴重な体験のできるPoster Clinicに来年以降もぜひ選出していただけるようにチャレンジしたいです。
 学会全体を通して、私は研究に関してまだまだ未熟であるが故、この学会で様々な研究を知り、RNA関連分野だけでもたくさんの面白い研究があるなと感じました。私は主に口頭発表を聞いていましたが、RNAの多岐にわたる機能、さまざまな生理的現象への関与など新しく知ることばかりで、とても感銘いたしました。自分のポスター発表を通しても、訪れてくださった皆様のコメントから今後行いたい実験が思いつくこともあり、この学会はとても貴重な経験となりました。ただやはり私にとって壁となったのが英語で、特に外国からの招待者の英語発表は、とても面白い内容であったにも関わらず、英語が分からないこともあって、十分に理解できないといったことが多々あり、貴重な機会であるのにもったいないなという思いを終始感じました。口頭発表者の半分近くは学生で、その中には英語ですらすらと発表し、質疑応答も難なくこなしている方もいらっしゃいました。そのような方々からも刺激を受け、将来のためにも英語に対して真剣に取り組んでいきたいと思いました。
最後に、今回の日本RNA学会の運営に携わっていただいた年会事務局の皆様に心より感謝申し上げます。また来年もこのRNA学会に参加して、より実りのあるものにできるよう精一杯勉強・研究に励みたいと思います。

写真:Poster Clinicの様子